NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は5月8日、立命館大学が委託事業「産業DXのためのデジタルインフラ整備事業」で、複数のロボットを活用し、複雑なシステム連携を行う時のデータ連携基盤を運用する実証を本格的に開始すると発表した。
実証では、配送ロボットやドローンなどの自律移動ロボットといった運用者が異なる複数システムが高度に連携するシステム(システム・オブ・システムズ、SoS)を形成した場合に生じる、事故の予見や原因特定が困難などの課題の解決に取り組む。
具体的には、SoS運用時のデータの収集・管理・共有が可能なデータ連携基盤を構築するとともに、従来の一律で詳細な法規制とは異なる新たなガバナンスのあり方(アジャイル・ガバナンス)を検討する。
立命館大学は、自律移動ロボットの運用データとガバナンス関連データの収集や管理、共有を行うデータ連携基盤「アジャイル・ガバナンスプラットホーム」の研究開発に着手。
プラットホームの構築を通じて、運行中の配送ロボットやドローンなどの自律移動ロボットから取得されるセンサー情報のほか、建物側に設置される、カメラやLiDAR(ライダー)などの監視センサー情報を統合管理し、事故やヒヤリハット発生時に、短時間での原因の特定と類似災害を防止するための情報共有などの実現を目指している。
これまでにも2023年9月から大阪いばらきキャンパス(大阪府茨木市)内のコーヒーショップと連携した配送ロボットを始め、自律移動ロボットの運行とプラットホームの運用を繰り返してきた。
今回の実証は、5月19日に開催する一般公開イベント「いばらき×立命館DAY」を皮切りにスタート。キャンパス内の大学生協のショップと連携した配送ロボットや清掃ロボット、警備ロボットを追加し、複雑なシステム連携時でのプラットホーム運用の検証を本格的に取り組む。