
マテハン事業などの椿本チエイン(大阪市)は2月4日、KDDIとの合弁会社のNexa Ware(ネクサウェア、東京・千代田区)と、鈴与の川越物流センターに、物流倉庫の作業を自動化する次世代型物流システムを納入し、本格稼働を開始したと発表した。
次世代型物流システムは、80台の小型AGV(無人搬送車)が出荷先の間口まで自動搬送するシステム「T-Carry system」を採用。入荷商品をすぐに出荷先別に仕分けていく通過型物流センターの最適な仕分け工程を構築した。

また、物流センターの小型AGVの稼働状況、間口の混雑状況などをデータ化・分析するサービス「Nexa Warehouse-Optimizer(ネクサ・ウェアハウス・オプティマイザー)」を付加することで、作業エリア別負荷状況の可視化や、現場状況に応じた作業員の適正配置などができるようにした。システム導入後は仕分け処理量が20%向上。加えて、多方面仕分けによる生産性向上、作業者負担の軽減などを実現した。
鈴与の川越物流センターは、雑貨店舗向けの通過型物流センターで、商品入荷と同時に仕分けし店舗に配送する。
センターでは扱う商品は文具や化粧品など商品点数が多くサイズも異なり、売り場別など仕向け先別の商品保管棚が多数必要で、季節や時間帯で物量が大きく変動し、一時的に作業者負担が大きくなることなどが課題となっていた。
同社では、こうした課題解決に向け、次世代型物流システムを採用した。今後は「Nexa Warehouse-Optimizer」のデータ活用の拡大を図る。
ネクサウェアは、椿本チエインとKDDIが、物流倉庫内の効率化や最適化を実現する多様なメーカーや機器に対応したベンダーフリーな次世代型の物流倉庫自動化ソリューションの提供で業務提携したことを受け設立。ベンダーフリーの強みを生かした自動化システム構築から通信、ネットワーク、データに基づいたコンサルティング、運用保守までをワンストップで提供している。