KCCS、北大と雪上走行する自動配送ロボットを共同開発、準公道の走行試験に成功

KCCSと北大が開発した雪上走行が可能な自動配送ロボッ
KCCSと北大が開発した雪上走行が可能な自動配送ロボッ

京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は2月5日、北海道大学と、雪上の走行が可能な中速で中型の無人自動配送ロボットを共同開発し、準公道での走行試験に成功したと発表した。

自動配送ロボットは、国内メーカーのミニカー規格(長さ2.5m以下×幅1.3m以下×高さ2m以下)の車両をベースに、KCCSが新たに車体を自社開発した。最高速度は時速15kmで、走行環境に合わせた車体のチューニングや積載部分のカスタマイズが可能。走行中は遠隔から監視者がモニタリングし、状況に応じて無人自動配送ロボットを遠隔操縦する。

走行試験は北大構内の準公道で実施。工学部棟の西側エリアの総距離1.1km、北大メイン道路と北部エリアの総距離4kmを移動した。同時に、雪道での自律走行試験では、降雪時の雪粒を障害物と検知し自動制御で停車するなどの課題を改良。降雪量が毎時で約3cmの環境時と除雪路で時速10~15kmでの安定走行に成功した。

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ミニカーサイズでさまざまな雪対策を実施

また、積雪や降雪環境で大きく変化した周辺環境からLiDAR(ライダー)の自己位置推定が不安定になる課題では、側面積雪に対し、GPS(全地球測位システム)などで補正することで正確な自己位置推定を実現した。さらに、降雪時の着雪でカメラが視界不良となる課題の改良で、カメラにヒーターフィルムを装着し融雪を促し、視野を確保した。

今回の試験は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の「革新的ロボット研究開発基盤構築事業/自動配送ロボットによる配送サービスの実現」に、KCCSが採択された雪上走行技術開発の一環として実施した。

KCCSは、無人自動配送ロボットを活用し、必要なモノやサービスを必要とする人の元に届けることで、子どもから高齢者までが安心で快適に住み続けられるまちづくり支援に取り組んでおり、2021年から北海道石狩市を中心に無人自動配送ロボットの技術検証を行っている。