チトセロボティクス、生成AIで産業用ロボット制御検証 スコア88.7%に向上

チトセロボティクス、生成AIで産業用ロボット制御検証 スコア88.7%に向上

ロボット制御ソフトウエア開発のチトセロボティクス(東京・文京区)は6月29日、VLM(視覚言語モデル)を活用した産業用ロボットの動作指示システムで、AI(人工知能)に与える参照情報が制御プログラムの生成品質に与える効果を検証したと発表した。参照情報を段階的に追加することで、総合スコアが満点比74.3%から88.7%に向上したという。

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検証の概要

検証では、ロボットの手先カメラ画像と日本語の作業指示を基に、VLMコーディングエージェントが産業用ロボットのC++制御プログラムを生成するシステムを対象とした。コーディングエージェントには、オープンAIの「Codex(コーデックス)」、マイクロソフトの「Copilot(コパイロット)」、アンソロピックの「Claude Code(クロードコード)」を使用した。

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検証で使用した産業用ロボット、ハンドアイカメラ、レーザセンサー、小型エアチャックハンドを組み合わせた実機システム

対象は、産業用ロボット、ハンドアイカメラ、レーザーセンサー、小型エアチャックハンドを組み合わせた実機システム。色の異なる部品をつかんで所定位置に置くピック・プレイス作業など全12タスクで検証した。人間の作業者が日本語で作業指示し、VLMが制御プログラムを自動生成した。

AIには、産業用ロボット特有の基本構造や事前知識を記述した「埋め込みプロンプト」、ロボットやカメラを制御するための「APIリファレンス」、現場で使われた「過去事例データベース」を段階的に追加した。生成したプログラムは、「指示仕様への準拠度」と「実務的なコードの習熟度」の2項目で評価した。

検証の結果、標準サンプルのみでは合計223点だったが、埋め込みプロンプトの追加で241点、APIリファレンスの追加で256点、過去事例データベースの追加で266点となった。総合スコアは満点比74.3%から88.7%に向上した。

同社によると、埋め込みプロンプトは衝突回避のための退避動作など基本ルールを補う役割を果たし、APIリファレンスはAIの出力を実在するAPIと正しい実装手順に沿わせる効果があったという。過去事例データベースでは、エラー時の安全設計など現場の暗黙知を補う情報源として機能する可能性が示されたとしている。

今後は、実地での連続稼働テスト、組み立て・組み付け作業など複雑な手順作業への適用、参照ファイルの検索・選択アルゴリズムの改善、過去コード参照時のノイズ抑制に向けたひな型開発などに取り組む。