マテハン事業などの椿本チエイン(大阪市)は4月24日、製品評価技術基盤機構(NITE)が、ロボットアームや低温自動保管庫を使用した最大51万本の微生物サンプルを長期保存できる自動化設備「微生物サンプル長期保存用自動化システム」をバイオテクノロジーセンター(NBRC、千葉・木更津市)に導入し、4月から本格稼働を開始したと発表した。
システムは、これまで手作業だったサンプルのデータ登録、在庫管理、サンプルの入庫・保存・出荷業務の自動化した。システムの核となるのは低温自動保管庫「ラボストッカ」で、最大51万本のサンプルを4度の環境下で安定保存が可能。
サンプルは1本ずつデータ管理されており、外部からの要求に応じて、「ラボストッカ」が必要なサンプルのみをピッキングし出庫する。加えて、2台のロボットアームが、真空度検査、製函、梱包、帳票の荷ぞろえの作業を担当。前後工程の入庫、梱包、検品、封入(発送用)を含めた出荷工程の自動化ラインを構築した。
NBRCは、バイオ産業の発展を支援する施設。経済社会活動を支える知的基盤で必要不可欠とする、細菌、カビ、酵母やバクテリオファージ(バクテリアに感染するウイルス)などの生物遺伝資源を収集・保存し、サンプルが必要な研究機関や企業に提供している。
NBRCでは、自動化システムを導入した結果、サンプル保存業務の効率化、ヒューマンエラーの削減に加え、煩雑な保存業務から研究者を解放できた。同時に、バイオ研究の発展に不可欠な微生物資源を、安全で高品質に保存し安定的に提供するという課題解決につながったとしている。